トルコのクーデター
7月15日、トルコでクーデターが起きた。 だが、簡単につぶされ、エルドアン政権は安泰だった。 このクーデターはいったい何だったのか。
大統領エルドアンが手ごわい政敵とみなすイスラム指導者フェトゥラ・ギュレン。 彼の支持者たちは国家機関、軍など権力中枢に深く広く浸透しているとされる。 エルドアンはクーデター発生直後から、ギュレン勢力を首謀者として名指しし、大規模なパージを間髪を置かず開始した。
これは何を意味するのか。 トルコから伝わってくる筋書きのひとつはこうだ。 政権側はクーデター以前からギュレン勢力のパージを計画していた。 この動きを察知したギュレン勢力が十分な準備もないまま捨て身のクーデターに着手した。 こうした状況を想定していた政権側はクーデター開始直後から逆攻勢に出て、ギュレン勢力つぶしに大きな成功を収めた。
政権側のSNS有効利用も、この成功のカギになったろう。 一般市民に街へ出てクーデター勢力に抵抗しようと呼びかけ、人々は戦車によじ登り抵抗の意志を表明し、その英雄的な姿がさらに市民を煽った。
こうして、クーデターはあっさり失敗に終わった。 だが、そのあとも煽動された人々の興奮は収まらず、反乱側兵士への残酷なリンチが続いたという。 首を切られたり、ボスポラス海峡へ橋の上から投げ込まれた兵士もいたという目撃談がある。 こうした血生臭さは、日本では報じられていない。
おそらく、この”クーデター”で、エルドアンの権力基盤はさらに強固になるのだろう。
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