新聞記者の友人が飲みながら面白い話をした。 ネタ元の警察官が、コンビニ弁当を毎日、1か月間食べれば死んでも遺体が腐らないと言ったというのだ。 多量に使われている食品添加物・保存料のせいだという。
仕事柄、日常的に様々な死体を目にしている警察官の言うこととなると信じてもいいかという気になったが、ためしにインターネットで「食品添加物、遺体」と検索してみた。
すると、驚いたことに似たような話が次々と出てきた。
「コンビニでアルバイトをしていた大学生が自宅アパートで死んでいるのがみつかった。 検視の結果、死因は心臓発作で死後3か月以上経っていた。 だが、遺体の腐敗はほとんど進んでいなかった。 彼は売れ残りのコンビニ弁当を毎日食べていたことがわかった」
「現代人の遺体は腐りにくくなっていて、近年、葬儀で使用するドライアイスの量が少なくなっている」
「2004年12月のスマトラ沖地震で津波に襲われたタイ・プーケット島では多くの日本人観光客も犠牲になったが、タイ人の遺体は腐るのに、日本人は腐らなかった」
「米国で土葬された遺体は通常3か月で白骨化する。 だが、最近は2割が半年、1年、ときには2年経っても原形をとどめている」
近年大量に使用される保存料が人間の体内に蓄積され、死んでも腐敗しない体質になってしまった、過去の共産主義国家指導者たちのように、われわれの遺体もガラスケースに入れて陳列できるというわけだ。
保存料に代表される食品添加物というと、普通は、生きている人間の健康への悪影響が問題にされる。 だが、腐敗しない体になるなら、それ自体、悪いことではないのではないか。 夏場の葬式だって、慌てることはなくなる。 警察の遺体検視も、やりやすくなるだろう。
だが、保存料の大量摂取で腐らない体になるなんていうのは、まあ十中八九、近ごろ流行りの”都市伝説”というやつだろう。
代表的保存料のソルビン酸は、体内で代謝され二酸化炭素と水に分解されるそうだ。 つまり、保存料は体内に留まらない。 だいたい、古代エジプト人がえらい手間をかけて作ったミイラが、コンビニ弁当を食わせるだけで出来てしまうわけがない。
ただ、ネットにひとつだけ立証してみる価値がありそうな話があった。 「コンビニ弁当の食材を畑の肥料にしようと肥溜めに入れたが、いつまでたっても原形を保っていた」。 保存料が代謝されるわけではないから本当かもしれない。
今度、友人の新聞記者に会ったら、東京で肥溜めを探し出して実験してみろと言ってやろう。
1 件のコメント:
そもそも、死亡時刻・時期の推定は、死体の腐敗状況で判断します。
死後三か月と診断できた時点で、三か月分の腐敗はしているはずですから、腐敗していなかったとはデマですね。
仮に、その他の遺留品で死亡時刻が判別したのであれば、心臓発作としては扱われません、殺人事件になります。
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