東京・吉祥寺のヨドバシカメラ横の裏通りを入ったあたりにある小さなレストラン「Gili」を知っている人は、いわゆるエスニック料理のかなりの通だ。
オーナー・シェフの飯塚俊太郎は、東南アジア諸国からインド、エジプト、チュニジア、トルコまで足を伸ばし、自らの五感で様々な食を体験してきた。
体得した味を昇華させ、土着の素朴さを保ちつつ優美に創りあげた品々がテーブルに並ぶ。
自分で美味いと納得した料理しか出さない。 それは、インドネシアやタイ、ベトナム、インドであり、そうではない。 その味は、飯塚俊太郎そのものなのだ。
この店の凄さは、そこにある。
ここで、その事情は語らない。 だが、飯塚俊太郎が新たな旅立ちをしようとしているのは確かだ。
舞い戻ってくるときは、新たな蓄積をしているに違いない。 そういう男なのだと思う。
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