2014年9月1日月曜日
次は関東大震災の朝鮮人虐殺
「従軍慰安婦」に続き、日本の右翼たちは、1923年の関東大震災直後に発生したとされる「朝鮮人虐殺」をやり玉に挙げている。
混乱の中で、在日朝鮮人たちが井戸に毒を投げ入れたなどの流言が飛び交い、自警団が朝鮮人とみると襲い、多数を殺害したとされる騒動のことだ。
その実態は、いまだによくわかっていないようだ。 犠牲者数は、当時の政府調査で233人、大正時代を代表する政治学者・思想家の吉野作蔵による調査で2613人、大韓民国臨時政府の機関紙「独立新聞」は6661人としている。
最近では、フリージャーナリスト加藤直樹著「9月、東京の路上で 1923年関東大震災/ジェノサイドの残響」が出版され、なかなかの売れ行きらしい。
だが、Amazonに掲載されている、この本のカスタマーレビューを見ると、怒り狂ったネット右翼たちがボロクソにけなしている。 「悪かったのは朝鮮人だ」「自虐史観だ」と。
8月31日付け新聞に掲載された右翼出版社「WAC ワック出版局」の広告では、「関東大震災 朝鮮人虐殺はなかった!」(加藤康男著)という本の宣伝が掲載されていた。
「いずれの方角から調査しても、関東大震災時に日本人が『朝鮮人虐殺』をしたという痕跡はない。あったのは、朝鮮人のテロ行為に対する自警団側の正当防衛による死者のみである」とする著者の言葉を紹介、「悲劇の真相を糾明した衝撃のノンフィクション」とうたっている。
何が真実かは知らない。 だが、ここでも問題の核心をすり替えようとしている気配がある。 日本の朝鮮併合を正義だったと歴史を書き換えようとする怪しげな意図だ。
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