米国大統領選の共和党候補指名獲得競争で、まともとは思えない男、ドナルド・トランプが勢いづいている。 この人種差別主義者が世界のトップ指導者になることは悪夢以外のなにものでもない。 だが、なぜか、米国と深い関係を持つ日本では、メディアも政権も、トランプへの態度を表明していない。 狂人の進出を阻止するには、アメリカ人だけに任せることはできない事態が起きようとしている。 外国人であろうとなんであろうと、米国大統領選への意思表示をしなければいけない新事態なのだ。
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 2月25日のAFP通信によると、ドナルド・トランプが勢いづくなか、隣国カナダの島が、トランプの大統領就任の場合には米国人を「政治難民」として受け入れる用意があると呼び掛けている。
 キャンペーンを行っているのは、大西洋に面するカナダ・ノバスコシア半島先端の沖合に浮かぶケープブレトン島。地元ラジオ局のディスクジョッキーが発案したもので、島の観光当局ウェブサイトとタイアップしたウェブサイトも制作。トランプ大統領の誕生を危惧する米国人に避難先を提供するとアピールしている。
 ウェブサイトには「移住先を探すのに、ドナルド・トランプが大統領に選ばれるまで待っていては駄目だ」「今すぐ始めよう。そうすれば大統領選の当日はバスに飛び乗るだけでいい。女性は妊娠中絶が認められ、イスラム教徒ものびのびと歩き回れるケープブレトンで新しい生活を始めらる。ここにある『壁』は、とても手頃な住宅の屋根を支える壁だけだ」といった誘い文句が踊る。
 また、米メーン州の東400キロに位置するこの島の自然美を紹介しているほか、おいしい食べ物やヨット遊び、ホエール・ウオッチングなども楽しめると強調。さらに皆保険制度などもうたっている。
 製鉄所や炭鉱が閉鎖されたケープブレトン島は、近頃不況に見舞われている。しかし同島の観光サイトには過去1週間で、同ウェブサイトの通常の年間訪問者数よりも多い30万人以上が訪れたという。
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 米国メディアも、トランプへの嫌悪感を明確に表明している。(以下Wikipediaからの孫引き)

 ワシントン・ポストは、2月25日の社説で、トランプのこれまでの言動を取り上げてトランプ政権の危険性を指摘、不法移民1000万人を強制送還すると述べたことについて「スターリン政権かポル・ポト政権以来のスケールの強制措置」であると批判、「良心ある共和党指導者がトランプ氏を支援できないと表明し、指名阻止のためにできることをする時だ」とする異例の訴えを掲載した
  ニューヨーク・タイムズ1月30日、トランプについて「経験もなければ、安全保障や世界規模の貿易について学習することへの興味もない」と評している
 ウォール・ストリート・ジャーナル2月22日の社説で、共和党支持者に、トランプ支持を見直さなければ、得体の知れないものに真っ逆さまに飛び込むことになると訴えかけ、トランプの対抗馬には一本化を呼びかけた
 ニューズウィークは、トランプについてアドルフ・ヒトラーと同じデマゴーグであり、自画自賛が激しく、傲慢で具体性もないのに詭弁を弄して民衆の支持を集める人物であるとする分析記事を掲載した
 ハフィントン・ポストは昨年6月、トランプの政治活動は余興に過ぎないとして、政治面でトランプの選挙運動を報じず、娯楽面で報じると決めた。
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  トランプ人気という事態の背景をぐずぐずと考察している時間的余裕は、もはやないかもしれない。 とりあえず、アルマゲドンを阻止しなければいけない。