彼らは、上級生や卒業生、監督に対し、常に礼儀正しい。 喉が張り裂けんばかりの大声で挨拶する。 自分たちの使う練習グラウンドに対しても、まるで、そこに神が宿るかのように礼をする。
この高校野球少年たちに叩き込まれた礼儀作法は、彼らがやがて卒業し、おとなになってからも保ち続けられるかもしれない。
ただし、それは、”内向き組織”の礼儀だ。
少年たちは、野球部と野球部関係者以外の人間には、ほとんど関心がない。 だから、礼儀正しいにもかかわらず、彼らは、公共の遊歩道上で、散歩やサイクリングをする人、ジョガーたちの邪魔になっても気にせず、平然と下着姿になって着替えをする。
彼らにとっての礼儀とは、野球部という、おそらく、かなり歪な小宇宙の中で生きるための術なのだろう。 これは、いわば処世術ではないか。
そう、企業の社会的責任の意識が希薄なくせに、社内政治には血道を上げるような会社に就職し、会社と上司への忠誠心が絶対とされるようなとき、その処世術は役に立つ。
とりあえず、君たちに推薦できる就職先は、東京電力だ。
0 件のコメント:
コメントを投稿