2011年5月17日火曜日

原発・ユッケ・バンジージャンプ




 昔から度胸試しの儀式だったとされるバンジージャンプを、商業娯楽スポーツとして確立したのはニュージーランド人だ。 彼らに言わせると、バンジージャンプは世界で一番安全なスポーツだそうだ。 死亡率だか事故発生率で計算するとそうなるという。 ちなみに世界一危険なスポーツはスノーボードになるそうだ。

 身がすくむような高所から飛び降りることが安全だと主張するには、からだに結ばれたゴムのコードが絶対に外れない、絶対にちぎれない、伸びすぎたり長すぎたりして地上に脳天を激突させることは絶対にない、等々の信頼できる根拠が前提になろう。

 しかし、どんなに度胸があっても、今の日本人がバンジージャンプに挑戦することはない。 どんなにもっともらしい安全保証でも信じない方が身のためだという猜疑心を持つ必要性を学んだからだ。

 安全神話が捏造されていたことが判明した原子力発電、そして殺人ユッケの発覚。 これで十分だ。

 日本人も、個人が自分の頭で考え判断して生きていくことを学ぶ機会を得た。

 新幹線が暴走することはないのか?

 魚の刺身を食って死ぬことはないのか?

 タワーマンションがぱたりと倒れることはないのか?

 レインボ-ブリッジがクルマの重みで崩壊することはないのか?

 富士山大噴火はまだか?

 自衛隊はクーデターを起こさないのか?

 北朝鮮の日本への核ミサイル攻撃はないのか?

 大彗星の地球衝突は?

 宇宙人の襲来は?

 とりあえず、自分の配偶者や恋人を信頼している根拠を(もし信頼しているなら)冷静に吟味するのは、猜疑心を研ぎ澄ませる手ごろな訓練になるだろう。

 それにしても、原発よりバンジージャンプの方が安全だと思う。

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