2010年11月8日月曜日

もうひとつの韓流ドラマ


 韓流ドラマに登場する男たちの魅力は、日本の女たちの心を揺さぶり続けているようだ。 そこには、軽薄な日本の女たちのオツムでは及びもつかない、もう一つの韓流ドラマがある。

 その事実抜きには、現在の韓国社会を語ることはできない。

 国連人口基金は11月、世界人口の最新統計を発表した。 1位中国13億5410万人、2位インド12億1450万人...10位日本1億2700万人-という例の統計だ。 このとき同時に発表された合計特殊出生率、つまり1人の女性が一生に産む子どもの数が国別で発表された。

 韓国のメディアは、こちらの方に注目した。 それはそうだ。 韓国は調査した世界186カ国中、184位、下から3番目の1.24人だったからだ。 韓国の下はボスニア・ヘルツェゴビナ1.21人、香港1.01人だけ。 韓国は全体の平均2.52人の半分以下だった。

 韓国の少子化傾向は日本より深刻なのだ。 少子化の理由はいろいろ指摘されているが、よく言われるのは教育熱を反映する高額の教育費だ。 

 問題は、この先だ。 日本よりも儒教の伝統が強く残る韓国では、子どもを1人しか育てないとなると、女の子より男の子が選択される。 この結果、韓国における出生時の男女比率は、男の方が1割以上多くなってしまった。 こうした傾向は既にかなり以前から始まっている。

 韓国社会は今後、男が女より多い人口構成がさらに固まっていく可能性が高い。 そういう社会で生きていく男たちは、パートナーの女を獲得するための懸命の努力をする。 男たちは、好むと好まざるにかかわらず、子孫を残すために女の前で魅力的であらねばならない。

 韓流スターが女たちの目にきわめてセクシーに見えるのは、韓国の男たちが日夜涙ぐましい努力をせざるをえない社会の反映なのだ。 

 これは、韓流スターにかなわない日本の男たちの負け惜しみではないと思う。

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