約20年ぶりに、極寒の札幌に行った。 新しいビルが増えて、風景がかなり変わっていた。
最初に驚いたのは、未入居の新築マンションが林立していることだった。 目に入るマンションのほとんどが新築に見えた。 札幌市内の住宅開発がものすごい勢いで進んだのだろうか。
いや、そんなわけはない。 すぐに自分の勘違いに気付いた。 新築と思ったのは、マンションのベランダが空っぽで、洗濯物やふとんといった人間臭いものがまったくなく、実に殺風景だったからだ。 東京周辺では、こんな光景は完成直後のマンションでしか見られない。
そう、札幌では、氷点下の屋外に濡れた洗濯物を干すことなど出来ないのだ。 すぐに凍り付いてしまう。 北海道で安アパートに住んでいた友人の体験談を思い出した。 酔っ払って帰宅し、洗濯機に水を張ってパンツを放り込んだままスイッチを入れるのを忘れて寝込んでしまった。 朝起きたら、洗濯機の中はコチコチに凍っていて、春まで使えなくなってしまったそうだ。 もちろんパンツも。
マイナス10°C。 この凍てつく寒さの中で、本当にギョッとさせられたのは、若い女たちがミニスカートの下から剥き出しにしたナマ足だった。 こちらは厚手のズボンの下にユニクロで買ったヒートテックを2枚も重ねて穿き、懸命に寒さから防御しているのに、どうなっているんだ!
ミニスカート・ナマ足の北限はいったいどこまで北上できるのだろうか。 こんなテーマは、アホ民放テレビ局には、おあつらえ向きの材料だろう。
すすき野歓楽街の賑わい、レベルの高さ、値段の安さは、嬉しい驚きだった。 ここでも時間制飲み放題がはやっていたが、60分単位が主流。 これが安い。 たった800円。 生ビール2杯で元をとれてしまう。 この値段に驚いていたら、700円というのもみつけた。 ついには500円というのに巡り会った。
この界隈には、しゃれた店も多い。 東京も負けるかもしれない。 ビートルズのコピー・バンドには驚かされた。 オヤジ・ミュージシャンが、あのサウンドを気味が悪いほど見事に再現する。 札幌の夜が気持ち良く更けていく。
夜の街を引き回してくれたのは、若いころアフガニスタンを徘徊していたバックパッカーだった友人Y。 今は北海道新聞運動部の部長という編集幹部になっている。 これは驚きではない。 驚かされたのは、Yがトライアスロンをやっていることだった。 かつて丸くなりかけていた体形はしっかりと引き締まっていた。
日本の大手新聞社の運動部長は毎日、スポーツに関わっているが、そのうち何人が自分自身で肉体的に過酷なスポーツを実行しているだろうか。 おそらく、Yは日本で唯一、トライアスロン選手の運動部長であろう。 負けてたまるかと、3日連続で昼間はスキーをかなりまじめにやってしまった。
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