2012年11月20日火曜日

3・11 ハワイの痕跡


(津波のあと放置されたままの土地)

(ここにレストランありき)
ハワイ諸島最大のハワイ島。 その中心の町コナを2011年3月11日午前4時(現地時間)、津波が襲った。 あの東日本大地震が引き起こした津波が到来したのだ。 あれから1年8か月がたったが、その爪跡はまだ残っていた。

 コナから南へ約10キロ、高級リゾートホテルSheraton Kona Resort & Spa が面しているケアウホウ湾。 小さな入り江だが、ヨットやカヌーが停泊し、ダイビングや鯨・イルカウォッチング船の拠点にもなっている。 ちょっとスノッブな金持ちアメリカ人たちが寛ぎ、静けさとともに華やぎを感じさせる雰囲気がある。

 貧相な日本人がうろうろするのは場違いかもしれないが、とりあえず、うろうろしてみた。 すると、すぐに目に留まったのは、<Tsunami Repair Zone>と記した看板が掲げられ、囲いで立ち入り禁止になっている土地だった。 

 ダイブ・ショップの若者にきいてみた。 ジョーと名乗った若者が教えてくれた。 「まだ暗い朝4時ごろ、突然津波がやって来た。 波の高さは11フィート(3メートル)もあった。 うちの店、それに隣のレンタル・ボート事務所、レストランも1軒押し流された。 うちは再建したけれど、ほら、レストランの土地は、いまだに更地のままだよ。 津波の直後、この湾は、ビーチの椅子やテーブル、その他いろんなものが浮かんで、まるでゴミに覆いつくされたみたいだった」

 幸い、死傷者はなく、日本の未曾有の悲劇と比べれば、被害は軽微なものだった。 だが太平洋の地図を広げてみると、楽園ハワイは実に恐ろしいところに位置していることがわかる。 地震が多発する環太平洋のど真ん中、日本からもフィリピンからもカリフォルニアからもチリからも、四方八方から津波が押し寄せてくる。 ここに住むのは、日本とはちょっと違った恐さがあるかもしれない。

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