(気仙沼駅で) |
それでは方向を変えようと、今度は、遠野物語で有名な遠野の宿を探してみた。 やはり、混んでいたが、やっと民宿を一軒みつけ、そこに決めた。 他に選択の余地はなかった。
結果的に、ここはいい宿だった。 2000円の追加で地元のドブロク、岩手の地酒が飲み放題というのが良かった。 いやー、実に美味かった。
夕食は、真ん中に大きな囲炉裏のある和室だった。 一緒になった一人旅の女性と話がはずんだ。 聞けば、70歳代前半というが見かけの若い人で60代かと思った。 4年前に夫がガンで先立ち、一人で山登りや各地の旅行をしているという。
この人に聞いて、この時期に宿が混んでいる理由がわかった。 JRの「大人の休日倶楽部」のせいだった。
入会者は、50歳以上がミドルカード、男65歳、女60歳でジパングカードというのを取得できる。 この倶楽部メンバーを対象に、JRは11月5日から17日までの期間使える新幹線を含む路線の乗り放題切符を売り出した。 JRの観光オフシーズン対策の商売だ。 とにかく、安い。 東日本は4日間15,000円、東日本と北海道のセットでは5日間25,000円。
遠野で会った女性もこれを利用していた。 そして、これがよく売れて、今、東北はどこも高齢の旅行者がいっぱいで宿を確保するのが、とても難しいと言っていた。
まさに、その通りだった。 遠野のあと、大船渡ー気仙沼ー石巻ー仙台と旅を続けたが、列車もバスも宿も、見かけるのは高齢者ばかりだった。
この旅行で、秋の東北の美しさ、地酒の旨さ、3・11被災地住民の生きざま、いろいろなことを見聞できた。 だが、もっとも印象に残ったのは何かと言えば、元気な老人たちが日本には、なんとたくさんいるのだろうという驚きだった。
70歳以上の高齢者ともなれば、年金受取額は悪くない。 彼らが旅行することによる経済効果は決して小さくはないだろう。
老人たちよ、社会のお荷物などと見下すバカ者どもに負けてはいけない。 元気なうちは、旅行しまくり、遊びまくり、経済発展に貢献しよう。
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