かつての人気漫画「タイガーマスク」の主人公「伊達直人」を名乗って、日本各地の児童施設にプレゼントが贈られ、世間の関心が次第に高まっている。 年明け後、最も注目されるニュースになる雲行きだ。 おそらく、最初の群馬県中央相談所へのお年玉ランドセルを模倣し、各地に広がったのであろう。 いったい、どんな人たちが「伊達直人」になっているのだろうか。
日本中には無数の「伊達正人」を名乗る人物がいるのかもしれない。 だから、そのうちの1人に会ってインタビューしたからといって、どうということはないのだが…。
* * * * * *
―あなたが、タイガーマスクの伊達直人を名乗っているというのは本当ですか。
「その通り。 答えられる質問には答える」
―わかりました。 インタビューの録音と写真撮影はいいですか。
「いや、それは困る。 それから、身分が明らかになるような個人情報は提供できない。 この点は了解してほしい」
日本中には無数の「伊達正人」を名乗る人物がいるのかもしれない。 だから、そのうちの1人に会ってインタビューしたからといって、どうということはないのだが…。
* * * * * *
―あなたが、タイガーマスクの伊達直人を名乗っているというのは本当ですか。
「その通り。 答えられる質問には答える」
―わかりました。 インタビューの録音と写真撮影はいいですか。
「いや、それは困る。 それから、身分が明らかになるような個人情報は提供できない。 この点は了解してほしい」
―そうですか。 まあ、とりあえずインタビューを始めましょう。 まず、年齢は?
「正確には言えないが、思春期にタイガーマスクに夢中になった世代であるのは間違いない」
-「伊達直人」を名乗る気になった動機は?
「群馬の施設にランドセルが『伊達直人』名で贈られたニュースは、かつてタイガーマスクに夢中になった心の琴線に触れた。 すぐに、『俺もやってみよう』と思った」
-結婚して家族がいる年齢と思われますが、家族には話していますか。
「とんでもない。 女房はおしゃべりで、たちまちばれてしまう。 まあ、信じれば、の話だが。 『亭主がバカな冗談をぬかしている』と言いふらすのは間違いない」
-それでは、まだ誰にも話していないのですね。
「その通り。 これが初めてだ。 ランドセルばかりでなく、衣類、靴、スポーツ用品、自転車、それに奨学金だって贈る計画だ」
-そうなると、かなりの資金が必要ですね。
「そう、だから話しているんだ。 協力してほしい。 『伊達直人基金』を設立した」
-で、どんな協力?
「一口10万円の献金、何口でも構わない。 協力すれば、誰でも『伊達直人』になれる」
-これまでに何人くらい協力しましたか?
「たくさんいる。 ニュースで報じられたうちの何件かは基金からのものだ」
-ということは、あなたは、すでに多くの人に「伊達直人」を名乗っているのですね。 さきほどは「初めて」と言いましたが。
「なに、疑っているのか!」
-当たり前だ! おとなしく話をきいてりゃあ、調子に乗りやがって。 オマエは間抜けな詐欺師だろ! 警察を呼ぶぞ!
「バカヤロー! テメエ、気を付けろよ、月夜の晩だけじゃねえんだぞ!」
* * * * * *
心優しい伊達直人たちは、みんな本物の伊達直人であろう。 だが、いかがわしい贋者も混じっているかもしれない。 善意を食いものにするヤカラを許してはいけない。
0 件のコメント:
コメントを投稿