「日本の新聞はだからつまらない」
Newsweek日本語版最新号(2011・1・19)のカバーストーリーである。 日本の新聞関係者には、刺激的な記事と受け取られたかもしれない。
ストーリーを要約すれば、日本の新聞記者はすさまじいエネルギーを費やして収集した情報を自分の頭の中で反芻し、ジャーナリスティックに吐き出す知的能力に欠けている、同業他社との無意味な競争に明け暮れ本来向き合うべき読者の存在を忘れている、といったところか。
無論、Newsweekが書いているように、個性的で有能なすばらしい記者も多くいる。 だが、おしなべて言えば、同誌の指摘は正しい。 なぜなら、ここに書かれていることのほとんどは、普通の記者たちが夜な夜な、仲間内で飲み、酔い、議論していることなのだから。
Newsweekの記者はきっと、彼らといっしょに飲んで聞いた話をもとにストーリーを作ったのだろう。 惜しむらくは、記事が、酔っ払い記者たちの悲憤慷慨の域をあまり出ていないことだ。 もう一歩踏み込むなら、この問題をまじめに、いつまでも議論する記者は出世せず、適当に議論から身を引き、当たり障りのない記事を書いている記者は出世する現実に目を向けるのも面白かった。
とはいえ、こういう指摘をたまにするのはいいことだ。 外国、とくにアメリカの目線を必要以上に気にする日本人と日本の新聞には、ちょっとした刺激になるからだ。 これも日本の新聞の惨めな現実ではある。
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