衆人環視のもとでの生活を強いられた多摩川フクロウの悲劇は、いくつかのきっかけが重なった結果であろう。 どれか一つに責任を負わせることはできないが、明らかに、きっかけの一つを作った人物を、ほぼピンポイントで特定することができた。
哀れなフクロウたちの居場所から遠くない駅近くの商店街の熟年男性だった。
本人に悪気はまったくなく、無邪気に色々な人に見てもらいたいと思って、新聞社に電話で通報した。 新聞は場所をぼかして、珍しいフクロウの飛来を報じたが、地元の口コミもあいまって、たちまち知れ渡ってしまった。
新聞社に電話をした男性は、新聞が場所を明確に伝えなかったので、役所の広報課にも電話をして、問い合わせがあったら教えるようにと詳しい場所を伝えた。
善意の人なのだ。 きっと周囲の人たちに好かれる親切なオジサンであろう。 そして、フクロウの写真を撮ろうと連日集まる人々も、動物と自然を愛する優しい心の持ち主であろう。
フクロウたちは、かれこれ2か月も人間たちに連日覗かれながら、けなげにも同じ場所で動かずに耐えているように見える。
そろそろ”視撃”から解放してやりたいのだが、好奇心という魔物がそれを許さないだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿