2012年大晦日、記憶にないくらい遠い昔以来、久方ぶりにNHKの紅白歌合戦を見た。 と言っても、同じNHKでもBSプレミアムで放映していた日本映画「駅 STATION」で、劇中画面に出てきた1979年の紅白歌合戦だ。
雪に覆われた北海道の小さな駅。 その近くの赤提灯、「桐子」。 大晦日前日の12月30日、ふらっと立ち寄った高倉健。 うらびれた飲み屋を一人で切り盛りする倍賞千恵子。 2人は意気投合して、カウンター越しに飲み始める。
翌大晦日、2人は逢瀬のあと、再び「桐子」へ。 カウンターで並んで飲んでいると、紅白歌合戦で八代亜紀が「舟歌」を歌い始める。
お酒はぬるめの燗がいい
肴はあぶったイカがいい
女は無口なひとがいい
倍賞千恵子が、「私、この歌が大好き」と言って、高倉健にしなだれかかる。 外は、雪がしんしんと降る。
一人旅の男と寂しげな女の出会い。 この2人の役者は、こういう演技をやらせれば天下一品だ。
旅する男がいつも期待する夢を実現してくれる。
新しい年2013年。 また旅に出よう。
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