2014年6月16日月曜日

ゴキブリの方が可愛い


 
 
 かつて、おとなの男の世界だった居酒屋が、ファミレス状態になったのは、いつのころからか。 

 ションベン臭いガキ、所帯じみた母親でギャーギャー騒がしい場所では、コワモテの土方も、世をすねた詩人も、かつて革命を夢見た定年間際のオヤジも様にならない。

 思い起こせば、”オヤジギャル” などという言葉がはやりだした1990年代初めに、若い女たちが赤提灯の飲み屋に出没するようになった。 あのころ、男たちが物珍しがって、彼女たちをちやほやしたのが間違いの元だった。

 
 やがて酒場に糞まみれの紙オムツを放り出していく外来種が蔓延し、その駆逐は、もはや不可能な段階に入っている。

2014年6月12日木曜日

ようこそ日本へ


 あるホテルのロビーで、テロリスト情報の提供を一般に呼びかける警察のポスターを目にした。

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 こんな外国人が宿泊したら、連絡を!
*1人で宿泊する
*国籍が異なる複数の外国人が宿泊する
*頻繁に利用する
*室内でお祈りをする
*不審な荷物を部屋に持ち込む
*周囲の様子を気にしてソワソワしている
*部屋に宿泊者以外の者が頻繁に出入りする
*外部から頻繁に電話の取り次ぎがある
*外国人が退室した後、部屋の中が薬品臭い
*ゴミ箱に不審な物が捨ててある
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 2020年の東京オリンピックを控えて、日本政府は外国人観光客呼び込みに力を入れているが、この警察ポスターを見るかぎり、日本を訪れる外国人はテロリストとは無関係であっても、疑いを持たれないように、態度・素振りでいくつか気を付けなければいけない点があるようだ。

 まず、1人旅は避けるべきだ。 旅の途中で他国出身の友人や恋人ができてもホテルの相部屋はしない。 気に入ったホテルをみつけても、そこに何度も泊まってはいけない。 1日5回お祈りをする敬虔なイスラム教徒であっても信仰心を隠さねばならない。

 日本人は既成概念と体裁に固執する傾向がある、スーツケースを持っていなければ旅行者ではないと思われる可能性はある。 だから、段ボール箱に荷物を入れ紐で縛って肩に担ぐようなフィリピン人出稼ぎスタイルは疑惑の目で見られるかもしれない。

 しかし、猜疑心の強い警察であっても、彼らの頭の古さゆえに、疑いの的を外してくれるかもしれない。 今どき、テロリストであろうが、観光客であろうが、ビジネスマンであろうが、外部からホテルの部屋に頻繁に電話がかかることはないだろう。 パソコンや携帯が通信手段の主流になっている時代なのだ。

 とはいえ、警察は、外国人旅行者たちに、潜入テロリストかもしれないと、油断なく疑いの目を向けているとポスターは語っている。

 疑われる側は、ときに不愉快になるだろう。 そう、”オ・モ・テ・ナ・シ”とは、実は、そういうときの御機嫌取り戦術だったのだ。