2013年6月1日土曜日

南欧風ラーメン???


 ラーメンと名乗っているが、それをスープスパゲティと呼んでも一向に構わない。 

 トマト風味のスープ、麺は中華麺ではなく、デュラムセモリナの通常のスパゲティを使っているが、1.4mmという極細。 トッピングは、ペペロンチーノとニンニク、オリーブオイルで炒めたエビ、タコ、イカ、ムール貝。 たっぷりと載ったスウィートバジルの葉の緑がスープの赤と鮮やかな対照を成す。

 値段はやや高めの設定で1,100円。

 大田区山王1丁目、 JR大森駅からジャーマン通りを歩いて10分ほどのところに位置するレストラン。 「南欧創作家庭料理」の大きな看板が掲げられている。 一般的なイメージは、スペインやイタリアのシーフード料理やオリーブオイルの香りetc であろう。 だが、この店の入り口のシェードには、くっきり「ラーメン」と染め抜かれた旗がぶら下げられ、風に元気よく揺れている。

 この店はいったい何だ! そして色々と想像してみた。 ”南欧創作家庭料理”の”ラーメン”とはこんなものではないだろうかと。

 だが、次第に驚くことではない、という気がしてきた。 蕎麦屋でインド料理まがい=カレーライスを出すのが当たり前の日本では、どんなマッチングもありうる。 慣れてくれば、”南欧創作家庭料理”の店で、札幌みそラーメンが出てきても気にしなくなるだろう。 きっと、この店では、日本人に馴染みの普通のラーメンを提供しているのだろう。 そして、客たちは、イタリア料理まがいのスパゲティ・ナポリタンを駅の立ち食いソバをかきこむように、ズルズルと大音響をたてて食べているに違いない。 ようするに、看板を無視すれば、街の普通の食堂。

 日本という国は、こうやって異文化を吸収してきた。 その逞しさがいまだに息づき、進化しているのを大森で見た。 とはいえ、この店がグルメに勧められるとは思えない。 しかし、とりあえず、ここのラーメンを食べてみなければいけない。 近いうちに、勇気を奮って入ってみよう。

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