2015年3月31日火曜日

多摩川河川敷の無法者たち


 おそらく年齢は、おおむね70歳以上だと思う。 多摩川河川敷の広々とした緑は、散歩やジョギング、ピクニック、昼寝、なんでもできる快適な空間だ。

 ここに頻繁に現われる無法者がいる。 臆面もなく、禁止されているゴルフの練習をする年寄りたちだ。 広いグリーンを前にすると、クラブを振って、ボールを飛ばしたくなる気持ちもわからないではない。 だが、小さな子どもたちも遊んでいる。 明らかに危険だ。 それに、クラブで削られた芝生は実に痛々しい。

 無法者たちの中に、なぜか中年以下の”若い”世代はいない。 年寄りばかりなのだ。 何度か注意、というか文句を言ってみたことがある。 「ゴルフ禁止の看板が見えないのか」「日本語を読めないのか」「外国人か」etc・・・。

 まず効き目はない。 平気で無視してゴルフを続ける。 こちらの態度も悪いが。

 だが、きょうは痛快だった。

 「ゴルフ禁止」の立て札の前に堂々と自転車を停めて、クラブを振り回す年寄りと出くわした。 さすがに無視できなくて、「看板を見ろ」と怒鳴りつけたが、案の定、無視された。

 ふと思いついて、100メートルほど離れたところで、地べたに落ちていた石ころを拾い、携帯電話を持っているふりをして、大げさな身振りで、交番の方やゴルフじじいの方を指さし、まるで携帯で無法者の存在と場所を説明しているかのようなジェスチャーをしばらく続けた。 それから交番の方へ、警察官が向かっているのが見えたかのように大きく手を振りながら走っていった。

 走りながら、じじいの方を振り返ると、あわてて自転車に乗っているのが見えた。 しめしめ。

 面白かったから、またやってみたい。 だが、同情はしたくないが、老人たちの無法ぶりには、なにか解き明かさねばならない問題があるように思える。

 彼らはゴルフをやるくらいだから貧しくはないだろう。 近くにゴルフ練習場はいくつもある。 スポーツをやりたいなら、ゲートボール場もあるし、ジョギングをしている老人だって沢山いる。 なぜ無法ゴルフにこだわるのか。  彼らのこころの中にいびつに歪んだ部分があるような気がしてならない。 こちらも年寄りにからむヘンジンではあるが。

 

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