2009年7月27日月曜日

狂気の自己陶酔


 「靖国神社に祀られている神さま方(御祭神)は、すべて天皇陛下の大御心のように、永遠の平和を心から願いながら、日本を守るためにその尊い生命を国にささげられたのです」

 「天皇陛下を中心に立派な日本をつくっていこうという大きな使命は、みなさんのご先祖さまのおかげでなしとげられました」

 「戦争は本当に悲しい出来事ですが、日本の独立をしっかりと守り、平和な国として、まわりのアジアの国々と共に栄えていくためには、戦わなければならなかったのです。こういう事変や戦争(支那事変や大東亜戦争など)で尊い命をささげられた、たくさんの方々が靖国神社の神さまとして祀られています」

 「戦後、日本と戦った連合軍(アメリカ、イギリス、オランダ、中国など)の、形ばかりの裁判によって一方的に”戦争犯罪人”とせられ、むざんにも生命をたたれた千数十人の方… 靖国神社ではこれらの方々を『昭和殉教者』とお呼びしていますが、すべて神さまとしてお祀りされています」

 「靖国神社の神さまは、日本の独立と平和が永遠に続くように、そしてご先祖さまが残された日本のすばらしい伝統と歴史がいつまでも続くように、と願って、戦いに尊い生命をささげてくださいました」

 (靖国神社社務所発行「やすくに大百科」(私たちの靖国神社)より)

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 近ごろ、ネオ・ナチに似た日本のネオ・ナショナリズムになびく方々は、「靖国”史観”」を拒否する論を「自虐史観」と呼ぶ。

 だが、中国や朝鮮、東南アジアなどで莫大な数の人間を死なせた日本による戦争を美化することは、「他虐史観」に他ならない。そして、あの戦争における日本人の死すべてを美化することは、背筋をぞくぞくさせるような狂気の自己陶酔だ。

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