2013年4月5日金曜日

やはりイスタンブールがいい



 2020年オリンピック開催都市の最有力は、どうやら東京ではなくイスタンブールのようだ。 五輪招致オフィシャルパートナー読売新聞の記者で、日本のスポーツ・ジャーナリストとしては一流の結城和香子が4月5日付け解説面で、それを濃厚に臭わせる記事を書いているからだ。 読売が、勝ち目のない東京五輪開催というギャンブルからの撤退準備を始めたようにも受け取れる。

 <五輪が社会発展の触媒となれば、それは五輪開催の意義を証明し、さらに多くの都市の立候補を呼ぶ。 国民には、日本で1964年東京五輪が記憶されるように、世代を超えた印象や憧れを残すことにもつながるからだ。 イスタンブールは今回、戦略的な巧みさで、このIOCの「時の長さ」の視点を利用した。 ... (IOC視察)期間中には「ともに橋を懸けよう」というスローガンを公表。 欧州とアジア大陸での同時開催というテーマ性、イスラムを含む多様な文化・信条をつなぐ懸け橋となる意義を強調した。 ... (渋滞や効率やタクシー運転手のお行儀など)現在の課題については改善の能力と自信を誇示し、大会の主題としては未来に向けた変化そのものを掲げて見せた。 ... 翻って、東京はどうだろう。 「今」の質の高さと開催能力をアピールするあまり、「未来」へのテーマ性や可能性を示しきれていない>

 こんなことは今わかったわけではない。 東京でオリンピックを開催すれば、スムーズな運営で過不足ない大会になるだろう。 開会式や閉会式は、ハイテクを駆使した魅力的なショーになるに違いない。 しかし、だからどうだというのだ。 東京で日本人がオリンピックをやれば、こんなものだろうと、世界中が納得するだけの話ではないか。 意外性、時代を反映する歴史的意味は考えようもない。

 東京の退屈さと比べれば、イスタンブールは魅力に溢れている。 このブログが強く主張してきた点だ。(2013年2月12日付け「2020オリンピックはイスタンブールでhttp://theyesterdayspaper.blogspot.jp/2013/02/2020.html)

 国家主義者や右翼が目論む東京オリンピック開催の阻止までは、気を緩めることはできない。 だが、明るい兆候は見えている。 さあ、みんな、もう一息だ。 がんばって東京オリンピック開催に背を向けよう。

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